TOTOジャパンクラシック|トーナメントレポート
11月5日(日) 於:太平洋クラブ美野里コース
フォン シャンシャンが鈴木愛を振り切り自身初のUSLPGAツアー2連覇を達成!
太平洋クラブ美野里コースで行われたUSLPGA(全米女子プロゴルフ協会)ツアーの日本での唯一の公式戦『TOTOジャパンクラシック』2017年度大会は、ディフェンディングチャンピオンのフォン シャンシャンと鈴木愛が最終の54ホール目まで熾烈な優勝争いを展開となりましたが、優勝の女神はフォン シャンシャンに微笑みました。
「昨年優勝したことで期待されていたことも分かっていましたし、USLPGAツアーで同一大会2連覇したこともなかったので、プレッシャーを感じていました」と、2位の鈴木に2打差の通算15アンダーの首位でスタートしたフォン シャンシャン。
1番ボギー、2番バーディ、3番ボギー、4番バーディと不安定なプレー内容ながら、鈴木の1番から3番までの短いバーディパットを外すミスなどもあり、フロントナインは2人とも1アンダー35で2打差は変わらず。
バックナインは鈴木が「伸ばしていきたい」と自信を持って臨む9ホール。その言葉通りに鈴木が10番でいきなりバーディで1打差になりましたが、Par5の12番でフォン シャンシャンが2オン2パットのバーディに対して鈴木は第2打をレイアップした後の第3打を2メートル弱に寄せながらバーディパットを外し、また2打差に。
13番Par3はお互いにバーディチャンスにつけましたが、先にバーディを決めたフォン シャンシャンの後の鈴木のパットは入らず3打差。
残り5ホールですから形勢は圧倒的にフォン シャンシャンに優勢に見えましたが、「今日の鈴木はボールストライクがとても良かった」と言う通り、鈴木は14番Par4の第2打を1メートル、16番Par3ではティーショットを50センチに寄せてバーディ。
一挙に差は1打差となり、17番は前日に鈴木がイーグルを奪ったPar5。当然2人は2オンを狙いましたが、ともにグリーンまで届かず、先に打ったフォン シャンシャンの第3打は6メートルもショート。鈴木は30センチに寄せてバーディは確実。
フォン シャンシャンは「これを入れないとプレーオフになるので絶対に入れないといけない。今週はパットの調子も良いし、ラインをしっかり読んでタッチを合わせれば入る」と自信を持ってストローク。勝負どころで最高のパットをして、鈴木が並ぶことを許しませんでした。
1打差のまま迎えた最終の54ホール目の18番はフォン シャンシャンがティーショットを右のフェアウェイバンカーに入れたものの、グリーン直前のフェアウェイまで第2打を打ち出し、鈴木の第2打もほぼ同じところ。
「チップインバーディを狙った」鈴木の第3打はカップを1メートルオーバー(その後のパーパットも外す)。フォン シャンシャンはパターを使って20センチに寄せ、フォン シャンシャンの2連覇、USLPGAツアー通算8勝目が達成されました。
11月4日(土) 於:太平洋クラブ美野里コース
フォン シャンシャンが2連覇へ向けて前進
USLPGA(全米女子プロゴルフ協会)の日本での唯一の公式戦としてワールドワイドで注目を集めている『TOTOジャパンクラシック』の2日目。
午後になって一時的に雨雲が通り過ぎることもありましたが、今日も4,263名のギャラリーが観戦に訪れました。
ギャラリーの最大の関心事は、初日6アンダーをマークしてトップタイと好ダッシュを見せた地元出身の畑岡奈紗でしたが、畑岡は1番のティーショットを「トップでの切り返しがちょっと早かった」ことから、左のカート道路左の斜面のラフに曲げたために3オン2パットのボギー発進。
上がりの2ホールはイーグル、バーディとして、「オーバーパーで終わりたくありませんでした」と、最後まで応援し続けたギャラリーを喜ばせて1アンダーで回り、通算7アンダー15位タイで2日目を終えました。
初日6アンダーで7人いたトップタイのうち、畑岡とは好対照のプレーを見せたのが、ディフェンディングチャンピオンのフォン シャンシャンと鈴木愛でした。最終組の2組前にスタートしたフォン シャンシャンは「今日はパットがとても良かった」と振り返った通り、1番でいきなり10メートルの右に曲がるロングパットをジャストタッチで沈めてバーディ発進。
2番、3番、6番、7番でもバーディを奪取して、フロントナインだけで5つ伸ばし、さらにバックナインでも12番でイーグル、16番、17番でバーディ。コースレコードとなる9アンダー63を記録し、通算15アンダーとして独走態勢に入る様相となりました。
そこに待ったをかけたのが鈴木。トーナメント前から「この美野里コースでは前半は我慢して、バックナインでできるだけスコアを伸ばして行きたい」と語っていて、初日もその目論見通りにOUT35、IN31で回りましたが、今日も「フロントナインはカップが難しいこともあってなかなかバーディが取れず、シャンシャンがスコアを順調に伸ばしているのを見て、“凄いな”と思いながらプレーしていました」と、 バーディは2番のみの35。
バックナインに入ると初日以上の快進撃を見せ、フォン シャンシャンに迫って行きました。まず10番をバーディとすると、12番、13番、16番もバーディ。17番パー5では第2打をピン奥2メートルにつけてイーグル。最終ホールのバーディパットは入りませんでしたが、6アンダーの30。この日ノーボギーで通算13アンダーとして、フォン シャンシャンに2打差で最終日を迎えることになりました。
「優勝スコアは20アンダーくらいになるかもしれませんが、明日はとりあえず5アンダーを目標にプレーします」と控えめにコメントした鈴木は、サインを心待ちにしていたファンの列に向かいました。
明日の第1組のティーオフは7:40am、最終組は9:52amのティーオフです。
明日も好天気の予報ながら気温は若干低くなるようですが、フォン シャンシャンが2連覇を果たすのか、それとも鈴木が逆転優勝するのか、興味は尽きません。
11月3日(金) 於:太平洋クラブ美野里コース
畑岡奈紗ら7人が6アンダーで首位
USLPGA(全米女子プロゴルフ協会)ツアーの公式戦『TOTOジャパンクラシック』が太平洋クラブ美野里コースで始まりました。
晴れの特異日の11月3日とはいえ、12時の気温が21度を上回る絶好の日和に恵まれた初日。祭日と重なりファミリーで観戦に訪れたギャラリーも数多く見かけられ、昨年比163%の5,607人のギャラリー数を記録しました。
風もほとんどない絶好のコンディションだけにバーディも続出。ギャラリーの大歓声が何度も湧き上がり、アンダーパーをマークした選手は出場77選手中55人に上りました(昨年の初日トップは6アンダーが2人。アンダーパーは38人)。
上位陣も混戦を極め、首位の6アンダーにイ ミニョン、ジェーン・パク、リゼット・サラス、畑岡奈紗、鈴木愛、藤田さいき、そしてディフェンディングチャンピオンのフォン シャンシャンの7人が並びました。
当然、注目の的は地元(自宅がコースから30分ほど)出身でもあり、米ツアー参戦後に日本ツアーに参戦して日本女子オープン選手権など2連勝と勢いに乗る畑岡で、アリア・ジュタヌガーン、ミシェル・ウィーとのペアリングということもあり、一番多くのギャラリーがついて回っていました。
畑岡は「友達のお父さんや近所の人達が応援に来てくれているのが分かりました。バーディを取った時の大きな声援が励みにもなりました」と、次第にショットもパットも安定を増し、フロントナインを1番、7番の2バーディでターンしてバックナインに入ると、14番から17番までを4連続バーディ。一気に首位グループの仲間入りを果たしました。
ディフェンディングチャンピオンのフォン シャンシャンも畑岡同様バックナインで発奮。「日本では5年間プレーしていた経験もあるので私のことを知っているファンもいて、名前を呼んでくれたり中国語で応援してくれる方もいますので、頑張って良いスコアを出さないといけないと思ってプレーしました」と、フロントナインを1アンダーで終えた後、バックナインで14番からの4連続バーディを含めて5バーディを奪取しました。
明日第2日の注目の組のティーオフとペアリングは、最終組が10時27分=イ ミニョン、ジェーン・パク、リゼット・サラス、10時16分=畑岡奈紗、藤田さいき、鈴木愛、10時05分=フォン シャンシャン、アンナ・ノードクイスト、キム セヨン。第1組のティーオフは1番スタート、10番スタートとも8時15分です。
是非、誰が混戦から抜け出すのか観戦にお越しください。