TOTOジャパンクラシック|トーナメントレポート
フォン シャンシャンが-13で優勝!
好天、正午の気温が18.6度。小春日和を感じさせる暖かさと、日本で行われる唯一のUSLPGAツアーのトーナメントということもあり、4,821人のギャラリーが美野里コースに観戦に訪れました。
美野里コースはフラットで、ホール間の移動も楽なので、今日、ここでしか見られない外国人選手について回るギャラリーも多く、各所で歓声が発せられました。
また、日本人選手最上位でスタートした堀 琴音には、最終組に負けないくらいの沢山のギャラリーが応援していました。
優勝の行方は、最終組を回る2日目を終えてトップのフォン シャンシャンと、1打差のアリヤ・ジュタヌガーンのスコアの伸ばしあいが予想されていましたが、お互いを意識してか2人はパーを重ね続け、スコアは7番までまったく変わりませんでした。
動き始めたのは8番のパー3で、アリヤがボギーを叩いて一歩後退。次の9番から11番までの3ホールを連続してフォンがバーディ。あっという間にフォンの圧勝のムードが広がりました。
17番パー5でもフォンはバーディを奪い、最終18番ホールへ。
その時点でフォンは通算15アンダー、2位のジャン ハナは12アンダー。楽勝モードでしたが、「普段はリーダーボードを見ないけど、17番グリーンのところにあったので見たら3打差でした」とスコア確認したフォンは「気が緩んだのかもしれない」と、ティーショットを左の林に入れて3オン。さらに「もともと2パットのボギーでいいと思っていた」にもかかわらず、ファーストパットは寄らず、セカンドパットもカップをオーバー。
「これを外すと大変なことになると思って」集中した、ウイニングパットとなるダブルボギーパットを沈め、ハナに1打差ながら、USLPGAツアー2試合連続となる優勝を挙げました。
一方、大健闘したのが、堀でした。1番はボギーながら、その後6バーディ1ボギーの68で回り、通算10アンダーで日本人選手最上位となる3位タイに入りました。
フォン シャンシャン
優勝=-13
「2日目に8アンダー64の今大会のベストスコアを出せたのも、また、優勝できたのも、素晴らしいコースだからです。太平洋クラブ美野里コースのスタッフに感謝します。
まだ分かりませんが、来年もこのコースで行われるのであれば来年が楽しみです。
私はショットの精度が必要な日本のコースでプレーするのが大好きで、自信もあるので自分には合っていると思います。
将来の目標は、4年後の東京でのオリンピックに出場することです。リオ五輪では銅メダルだったので次は金メダルを獲りたいです」
ジャン ハナ
2位=-12
「今週、練習ラウンドをした時に、毎日4アンダーを目指して3日間で12アンダーを目標にしよう、と思っていたので、目標スコアを達成できて満足です。難しいコースでしたが、我慢強くプレーできたのが良かったです。
コースのコンディションも良く、グリーンのスピードも素晴らしかったですね。
今週は日本のファンの皆さんからプレゼントを頂いたり、とても楽しい1週間でした」
堀 琴音
3位タイ=-10
「今日は3日間で1番良かったですね。
最初のうちはパットのタッチがなかなか合いませんでしたが、7番で上から6メートル、8番で下から3メートル、9番では右横から1.5メートルが入ってから、不安がなくなりました。エンジンがかかるのが遅かったですね。
でも、最終日にスコアを伸ばせたことと、世界のトッププロが沢山いる大会の中で挑戦してトップ10、それも3位タイになれたことは、優勝を逃した悔しさも少しありますが、自信になります」
アン ソンジュ
3位タイ=-10
「この大会の2連覇は考えてはいませんでした。
2日目でトップと3打差だったので、トップに追いつけるよう頑張れるだけ頑張ろう、と思ってプレーしていました。
それだけに、アウトで2つスコアを伸ばしたのに、11番と12番でバーディチャンスを逃してトップに追いつけなかったのが残念です。
私はJLPGAの選手なので、この大会でUSLPGAの選手に優勝されたのは悔しいです。来年もまた出場する機会があるでしょうから、来年は体をしっかりケアして臨みたいです」
カン スーヨン
3位タイ=-10
「昨日から風邪をひいてしまい、万全の体調でプレーできなかったのが残念です。
でも、そんな体調にもかかわらず今日は良いプレーができたので、満足しています。
17番でバーディを獲って単独3位になりながら、最後の18番でボギーを叩いたのが悔やまれます」
フォン シャンシャンが64ストローク<通算11アンダー>でトップ
穏やかな陽気とは正反対の波乱に満ちた展開が、ムービングデーによってもたらされました。
その先陣を切ったのは、アウト第1組スタートのディフェンディングチャンピオンのアン ソンジュでした。
初日トップと5打差の1アンダー26位タイだったアンは、3連続バーディでスタート後、1イーグル、3バーディ、1ボギーの65で回り、通算8アンダーでホールアウト。
一躍トップグループに台頭してきました。続いて、3アンダー7位タイでスタートのスーザン・ペテルセンが6バーディ、ノーボギーの66をマーク。通算9アンダーとして、ホールアウトした時点でトップタイに立ちました。
さらに同じく3アンダーでスタートのフォン シャンシャンがトゥデー8アンダーを記録。
通算11アンダーでリーダーとなりました。
初日トップのアリア・ジュタヌガーンは68で回ったものの、フォンに1打差をつけられました。
ペテルセンとともにカン スーヨンが3位タイ。そしてアン、申ジエ、ジャン ハナの3人が5位タイ。
日本勢のトップは通算6アンダー12位タイの堀 琴音でした。
フォン シャンシャン
1位=-11
「初日の3アンダーには満足していませんでした。
今日はショットがとても良くて、多くのバーディチャンスにつけることができ、8つのバーディが取れました。
とくに18番はピン手前に池があってプレッシャーのかかるホールでしたが、残り125ヤードを9番アイアンで打って、4.5mにつけてバーディが取れたのは良かったです。
これまで16勝しているのですが、2週連続優勝(前週のサイム・ダービーLPGAマレーシアで優勝)したことはないので、明日はチャレンジしたいです」
アリア・ジュタヌガーン
2位=-10
「9番のパー5でティーショットを少しミスヒットしたこともあってサードショットでグリーンを外し、アプローチショットをオーバーさせてパーパットをミスしたのと、14番でスリーパットしてのボギーは悔しいですが、6つのバーディが取れたので、まあまあの1日でした。
明日は楽しんでプレーして、ハッピーな日にしたいです」
堀 琴音
12位タイ=-6
「最終ホールの1.5mのバーディパットを入れられなかったのが、もったいなかったですね。
それ以外にも幾つかバーディパットを外していて、それらを決めていれば、もっと良い流れになったのですけれどね…。
今日はラインを読めていなかったですね。
このコースではパー5でしっかりバーディを取ることが目標だったのに、今日は17番でしか取れませんでした。一緒に回っていたフォンさんが、入れなければいけないパットをきちんと入れて流れを良くしていったのと、対照的な1日でした。明日は前を向いて頑張ります」
笠 りつ子
16位タイ=-5
「今日の後半は100点満点のゴルフでした(アウト37、イン31)。
前半は、3番のパー3でティーショットを右に外し、アプローチショットを2メートルさせてボギーを叩くなど、ショットもパットも良くなかったです。
11番で手前からの15メートルのバーディパットが入ってから、流れが良い方向に変わりました。12番のパー5は2オン2パット、13番のパー3は2メートルにつけてバーディ。15番のパー4は8番アイアンの第2打が、あわやイーグルの完璧なショットでした。
途中でリーダーボードを見て、日本人がいないな、私の名前を載せたいな、と思いながらプレーしていました」
初日のリーダーはー6のアリア・ジュタヌガーンとカン スーヨン
秋らしい好天の下、冷たい北風が時折り吹き抜ける難しいコンディションの中、初日のリーダーとなったのは、6アンダー66をマークした、カン スーヨン(韓国)とアリア・ジュタヌガーン(タイ)の2人で、ステーシー・ルイス(アメリカ)とジェニー・シン(韓国)が5アンダーで続いています。
最高気温は16度ながらも午前中の体感は真冬並みで、ダウンのベストやウィンドブレーカーを脱ぎ着するプレーヤーが目につく状況でしたが、USLPGA(全米女子プロゴルフ協会)とJLPGA(日本女子プロゴルフ協会)のトッププロを同時に見られる大会とあって早朝から沢山のギャラリーが観戦に訪れ、平日にもかかわらずギャラリー数は3,441名を記録しました。
プレー終了後には選手のサインを求めるギャラリーが長い列をつくり、1人1人に丁寧に対応する外国人選手の姿がゴルフファンの心をさらに虜にしたようです。
アリア・ジュタヌガーン
1位タイ=-6
「1番ティーインググラウンドに沢山のギャラリーがいるのには驚きました。こんな経験は初めてです。
最終ホールで15ヤードのアプローチショットを狙って入れてバーディを取り、トップタイになりました。
今日は3番ウッドと2番アイアンだけでティーショットをして、いくつかミスをしたのですがアプローチショットとパッティングでカバーできました。
10番でも18ヤードのアプローチショットが入りましたから。グリーンが速くて難しいですが、明日も自分のゴルフをすることだけです。あと2日間、ファンと一緒に楽しみながらプレーします」
カン スーヨン
1位タイ=-6
「今日はパットに尽きます。18ホールで22パットでした。
7つバーディを取りましたが、長いパットが入ったわけではありません。
グリーンを外すことも多く、アプローチショットがうまくいったことも少なかったのですが、5メートルくらいのパーパットが幾つか入って助けられました。
このコースは昨年の大会のコースと比べると距離が長くなっていますが、グリーンでボールが止まってくれるコンディションなので、今日のようなスコアが出たのだと思います」
ステーシー・ルイス
3位タイ=-5
「日本に来てプレーするのは楽しみで、昨年とコースは変わりましたが、このコースは大好きになりそうです。その理由は、難しいコースなのでボールストライキングがしっかりとできないと勝てないコースだからです。
パー4のセカンドショットでロングアイアンを使わなければならないホールがいくつかあります。
私自身、ロングアイアンを得意としているので今日のスコアになったのでしょう」
ジェニー・シン
3位タイ=-5
「今日の内容は6バーディ1ボギーです。アメリカとは異なる芝でのプレーですが、日本では毎年プレーしていますし、日本ではいつも良いプレーができているので、自信を持ってプレーしています。違和感はありません。
芝が違うことは考えないようにして、プレーに集中できた結果が今日のスコアになりました。
毎年、日本では沢山のギャラリーの方が応援してくれるのも、良いプレーができる理由です」
堀 琴音
7位タイ=-3:日本選手最上位
「練習ラウンドで、このコースは戦略性が高くてしっかりとしたマネージメントをしないといけないことを感じていました。
特にパー5では第3打をどこから打つかが大切で、2番以外のパー5ではバーディに結びつけられるところに第2打を打つことができました。
今日は憧れの凄くカッコいいステーシー・ルイス選手と一緒でしたが、2打差をつけられて明日は彼女の1組前を回ることになりました。明日はスコアを伸ばして、最終日はまた一緒に回れるようにしたいですね」